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Channel: 創業について | 和田経営相談事務所-愛媛県松山市の経営コンサルタント
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地方で中小企業診断士で食っていくと決めた5年間の備忘録③~次の大きな決断~

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退職から起業3年目までに私は、2つの大きな決断をしている。一つ目は、言うまでもなく、会社員から自営業者になったこと。

もう一つは、県のコーディネーター業務からの卒業だ。前回お話ししたが、コーディネータ業務は、3年が経過した時点で、再募集がかかる。もう一度公募に手を挙げて、採用される必要があるのだ。

この時点で私の総売り上げのうち、約7割がこの業務からもたらされていた。売り上げシェアでみると、当然のごとく最重要業務だ。

お世話になった業務であるが、私は自分の事務所業務に注力していきたいと考えていた。もともと独立開業したのも、自分の事務所をやっていくためだ。行政業務は、前述してきたように、いいところもたくさんあるが、デメリットもないわけではない。この時点での私の場合は、

①事務所を週3日明ける(8:30~17:15まで時間拘束される)ため、来店客の相談にタイムリーに対応できない
②行政相談は、相談事業者から見て無料相談が基本であるため、有料相談の事務所業務との折り合いが難しい
③行政相談の顧客を有料の事務所相談に誘導することは道義上難しい
④予算事業である行政業務は、年度ごとに事業廃止や縮小の可能性があり、依存するとリスクが高い(私の場合、売上の7割を占めるようになっていた)
⑤組織に属する形になるため、安定性に安住してしまう

のような問題点があった。特に④については、事業を行うものとして危惧していた。更新のための再公募を迎えて、募集要項に目を通すと、行政予算の縮小に伴い、報酬が今までよりカットさせる内容となっていた。心配が現実となった。これが契機となって、この時期事務所業務も多忙になってきたことも勘案し、再公募に手を挙げず、事務所業務に専念することに決めた。

行政機関の支援人材の業務は、創業時のコンサルにとって、安定収入、信用力強化の面で大変心強くありがたい。しかし私の方針としては、どこかで卒業して、自分の考えている事業の方向性に進んでいく必要があった。タイミングは今しかない。2つめの決断に踏み切ったのだった。


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